【松本市 家族信託】本当のメリット、デメリット②

query_builder 2021/09/22
成年後見
緑

引き続き、民事信託(家族信託)についての本当のメリットとデメリットについてです。

3,成年後見制度と民事信託(家族信託)の比較

民事信託(家族信託)では、「認知症リスクを回避できる」というメリットが良く上げられます。

この点についてですが、まず 「認知症リスク」という言葉自体、認知症を患うことがいけないことであるかのような印象を与え、好ましい言葉ではないと思っています。

認知症を患ったとしても、ご本人の残っている能力と支援の力によって、平穏で充実した生活を送ることのできる社会が正常であると考えるからです。

よく、「認知症リスク」として上げられるものに、下記の点があります。

(1)預金凍結のリスク

認知症になると預金口座が凍結されて、預金が下せなくなるから民事信託が有効であるとか、成年後見人からは配偶者や家族の生活費として本人の財産から支出することもできないので、民事信託が有効である、などといわれている点です。

この点は、ほぼ間違いです。

認知症になったらすぐに成年後見人の選任申立てを行うことと、成年後見人からの扶養義務による支出により解決可能です。

後見人の選任審判は、長野家裁松本支部では申立から概ね1か月程度でされますし、ご本人に扶養されていたご家族のための生活費をご本人の財産から支出することは、民法上の扶養義務の履行となりますので、成年後見人から行うことは問題はないのです。

当事務所でも、実際に後見人に就任しているケースで、自宅で暮らす家族の生活費の支出を行っているケースがあります。



(2)自宅不動産が売却できなくなるリスク

これは、誰にとってのリスクなのでしょうか?よく考えてみたいと思います。

ご本人が、自宅をいずれ処分したいが、認知症等になり判断できなくなっても、家族に売却してもらいたいと思っているならば、これは成年後見制度では原則、できませんから、そのリスクを回避するため、ということで、民事信託で実現可能となりますので、大きなメリットです。

家族が、本人の自宅土地を売ってしまいたくて、信託を利用すれば認知症になった時に売れないリスクを回避できる、と考えているのであれば、それは成年後見制度の潜脱であり、認められません。
そもそも、家族が売りたくても、本人が売る気がなければ信託の利用などできないのは大前提です。


4,専門家、士業にとってのメリット
なぜなのかは不明ですが、民事信託(家族信託)に関する士業の契約書作成報酬、コンサルティング報酬は他の業務と比べて高額であることが多い状況です。
(コンサルティング報酬、という名目も、民事信託以外の業務では目にすることのないものです)

士業にとっては、報酬が高いことがメリットとなっているのかもしれません。

民事信託(家族信託)は複雑高度で、専門性が高いため、ということが理由に挙げられていたりしますが、離婚協議書、定期借地契約書など、専門性の高いものは他にもたくさん存在しています。

高い報酬目当てに、手続き選択の際に、民事信託に無理に誘導することのないよう、きちんとした手続き選択をしないと、市民の皆様からは詐欺的に映ってしまいますので、私たち士業は報酬の金額を含め、くれぐれも気を付けたいところです。


上記の通り、本当のところのメリットとデメリットを検討しますと、民事信託(家族信託)以外の方法に落ち着くことが多いのですが、民事信託の検討を機に、他の制度利用の検討の機会ともなりますので、お気軽にお問い合わせください。

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