国が認めた借金減額制度について

query_builder 2024/05/02
債務整理
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「国が認めた借金減額制度」のネット広告が流行っています。

これは、もはや「詐欺広告」に近いものですので、注意喚起のために、解説します。

2月には、「誇大ネット広告で不適切な債務整理に サポート団体立ち上げへ」という内容でNHKのニュース7でも報道されています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240218/k10014362991000.html

「国が認めた借金減額制度」とは?

「国が認めた」?

「国が認めた」借金減額制度、というものですが、そもそも、「国が認める」という表現を使う場合は、国家賠償請求訴訟で、訴訟上その責任を認めた場合などのごく限られた場合に使われるものです。

しかし、借金問題の解決について、国が何らかの裁判をおこされ、その中で借金減額制度を認めた、ということは一切ありません。

また、国が「こういう制度を使ってもいいですよ」と認めることはありえません。

「借金減額制度」とは?①

国が認めた「借金減額制度」とは何でしょうか?

借金減額制度、という名称のものは、実は存在しません。

法律上、借金が減額される制度としては2つあります。
一つ目が、破産手続きです。
二つ目が、個人再生手続きです。

この二つが「国が認めた」という表現に近いのかもしれませんが、この二つは法律によって定められている制度です、
これを「国が認めた」と言うのであれば、例えば離婚訴訟で離婚する場合にも「国が認めた離婚制度」と言うことになるでしょう。とても違和感があります。

「借金減額制度」とは?②

国が認めた「借金減額制度」と言う広告をしている事務所に問い合わせた場合、その事務所はほぼすべてが「任意整理」しか取り扱っていないのです。

上で述べた「破産」「再生」ですらなく、「任意整理」のことを「国が認めた借金減額制度」と表記していることになります。

「任意整理」は弁護士・司法書士が債権者と交渉し、借金の支払い方法についてリスケジュールを行うものです(通常は、元金に対して将来利息なしの36~60回の分割支払いにリスケジュールします)。

この任意整理という手続きは、あくまで弁護士・司法書士と債権者との合意に基づくものであり、国は無関係です。
法律すらありません。

ですので、「国が認めた借金減額制度」が任意整理であるというのは、ほぼ虚偽の広告ということになります。

問い合わせるとどうなる?

営業電話の嵐

国が認めた借金減額方法、と言う広告をする事務所に問合せた場合、その事務所から猛烈な営業電話がかかってくるようです。

「すぐに依頼しないと大変なことになりますよ!」
「なぜ依頼しないのですか?」
というとても法律家とは思えないようなことを言う事務所もあります。

面談をしない

国が認めた借金減額制度、と広告する事務所は、ほぼすべてで弁護士・司法書士が依頼者と面談しません。


これは、弁護士会・司法書士会の面談義務規定に違反するものであり、昨年は大規模弁護士法人が面談義務違反で懲戒になっています。

面談をしないということは、依頼者の事情やお話を聞くことよりも、機械的な処理を重視していることにほかなりません。

報酬が高額

「国が認めた借金減額制度」という事務所に依頼すると、とても高額な報酬を取られてしまいます。

弁護士は、着手金について規制がないことをいいことに、1社8万円~10万円もの高額報酬を取る事務所があります。

司法書士は、名目を問わず1社5万円を超える報酬を取ってはいけないという規定がありますが、これらの事務所は平気でこの金額を超えてきます。

広告費にお金がかかっているので、高額の報酬を取らないと割に合わないためです。

いい加減な債務整理をされてしまいます

破産、再生を利用する事務所は少数です。

全国から相談を集めて、機械的に任意整理をするだけです。
借金の額が多くても、生活が苦しくても「あなたは任意整理が妥当です」などと言い、機械的に任意整理にされてしまいます。

しかし、本来は破産や再生手続きを利用すべき案件を、無理やり任意整理にしているため、とても継続して支払っていける月々の金額ではなく、すぐに支払えなくなります。

なぜ「国が認めた借金減額制度」などと言う広告をするのか

過払い金がなくなったから?

こういった広告をする事務所は、過去に過払い金請求で派手に広告をしていた事務所が多いです。

過払い金がある方が減少している今、事務所を維持するためには、半ば詐欺的な広告を打って、高額な報酬を取るという手法に出ざるを得ないのかもしれません。

しかし、借金で苦しむ方にとっては「食い物にされている」ことにほかなりません。

消費者被害であると思います。

裏に妙な輩がいる?

こういった事務所の影には、事務所を操る、妙な輩がいることがあります。

元サラ金社員、反社会的勢力、営利目的の非法律家などです。

関わらない方が無難です。

債務整理は地元の法律家へ

ネット広告は信頼できない

全国展開で「国が認めた~」などと広告を出している事務所よりも、地元にしっかり根付いて業務を行っている事務所の方が、確実です。

地元で看板を出している以上、面談をしないということは通常ありませんし、杜撰な業務を行っていれば、それはすぐに噂になりますから。

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