【松本市 民事信託】不動産に利用する際のメリット

query_builder 2021/09/10
成年後見
家と人(人形)

民事信託を不動産に利用する際に、メリットが大きい、という点が良く強調されます。

この点については、慎重に検討しなければならない前提が、いくつもあるものと考えています。

〇民事信託を不動産に利用する際、前提として検討したほうが良いこと

1,「認知症になっても、不動産を売却することができる」のは本当にメリット?


よく、民事信託を不動産に利用する際のメリットとして、この点が強調されます。
「認知症になってしまうと、不動産を売却できなくなる」「売却するには成年後見人を選任して家庭裁判所から許可を得なければならないが、これはかなり難しい」とも。

しかし、まず、考えてみたいのは、所有者である人(親)にとって、本当に売却する必要があるの?という点です。

施設への入居費用がなくなる見込みであるから、そのための売却に備えたい、ということがよく理由として挙げられます。
しかし、これが理由ならば、施設入居の必要性が出たタイミングで、この先実際に入居費用が不足することが明らかであるなら、成年後見人を選任し、家庭裁判所へ居住用財産の売却許可申し立てをすれば、許可されることが多いのです。

また、自宅を担保に生活資金を借り入れ、相続発生時に売却して清算する「リバースモーゲージ」という制度もあります。

よくよくこういう制度を比較検討してみたら、やっぱり自分が苦労して建てた自宅は売却しなくても何とかなる、ぎりぎりまで売却しないでおこう(認知症になってから成年後見人を選任して考えよう)となることも多いです。

子どもは自宅を売りたくても、親は売りたくないというケースは多くあります。

なお、成年後見と民事信託(家族信託)の双方を扱っている専門家は、双方のメリットとデメリットをよく理解した上で慎重に判断をすることが可能と思います。
特にこの点は、成年後見人への就任経験のある専門家だと肌感覚でメリットとデメリットを実感している人が多いと思います。


2,では、民事信託を不動産に利用する際、メリットのある場合とは?

(1)賃貸経営をしているケース
民事信託を不動産に利用する際、メリットのある場合ですが、これは、賃貸経営をしている場合がまず挙げられると思います。

例えば、アパート経営や駐車場経営、貸しビル経営をされている方でローンがない場合に、メリットがあると考えています。

賃貸経営をされている方が成年後見制度を利用する場合、「賃貸物件を買い替える」「利回りの良い物件に買い替える」ということができません。成年後見制度は、財産保護のための制度であり、財産が減少するリスクのあることはできないからです。

(2)不動産の管理が手間であるというケース
不動産をいくつも所有しているけれど、管理が手間であり、有効活用できないというケースでは、家族に信託することで、賃貸や売買を行い、有効活用を図ることができます。


〇民事信託を選択する際に、大事なこと


民事信託を不動産に利用する際のメリット等について見てきましたが、重要な点が2点あります。

1,判断能力があること
民事信託は「契約」です。
当然ですが、判断能力がなければ締結できません。
すでに認知症になっているケースでは利用ができません。
法律上「無効」となってしまいます。


すでに認知症になっているケースで民事信託契約を結んだ場合、後に関係者から契約無効の訴えを起こされてしまう危険があります。


2,本人が、信託契約の内容をきちんと理解していること


民事信託においては「受益者連続型信託」「遺言代用型信託」などなど、複雑で高度な内容が含まれている、と言われています。
複雑で高度がゆえに、専門性が高く、専門家の出番、とも言われますが、複雑で高度であるのであれば、契約当事者が本当に理解しているかどうかが厳しく問われます。

当事者が理解していないまま契約を結んでも、契約してしまえば、当事者はその契約に拘束されます。
あとで、「こんなはずではなかった」「こんなことは任せたつもりはない」など、後悔してもしきれません。

ですので、当事者が契約内容を理解できない場合には、民事信託契約はできません。

他の契約に置き換えてみましょう。
例えば、不動産の売買契約については、宅地建物取引士が重要事項を説明し、当事者双方が理解したうえで契約を締結します。どの物件か、代金はいくらか、契約解除できる場合と時期、責任の所在、などです。
当事者が契約内容をよく理解しないまま契約することがないように、ということです。

民事信託も、この必要性は全く同一であるはずです。

ブームとなっている民事信託ですが、冷静に、慎重に、他の制度と比較検討をしたいと思います。

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