【松本市、塩尻市など】破産、再生と自動車
破産、再生手続きを行う際に、問題となるのが自動車です。
長野県のような地方では、自動車がないと生活に大変な支障をきたしますが「破産する場合は自動車は手放さないといけないと聞いたのですが」という質問を受けることがあります。
破産・再生手続きを取る際の自動車保有が認められるかどうかについて、解説します。
○破産と自動車
1,ローンのない自動車
自動車ローンのない自動車を持っている場合、下記の2通りに分かれます。
(1)自動車の価値が20万円を超える場合
売却し、債権者への配当に充てる必要があります。
破産手続きの中で、手放さないといけない、ということです。
売却と配当のために、「破産管財人」が選任される「管財事件」となるため、管財人費用として21万円程度が別途必要となります。
(2)自動車の価値が20万円を超えない場合
資産価値はないと扱われ、自動車を持ち続けることが可能です。
2,ローンのある自動車
ローンのある自動車についても、下記の2つのパターンに分かれます。
(1)「所有権留保」が設定されている場合
【所有権留保とは】
所有権留保とは、ローンの完済まで、自動車の所有権がローン会社にあるという担保の方法です。
要するに、「ローン完済までは、実は自分の自動車ではなく、ローン会社所有の自動車を借りて乗っている」ということなのです。
信販会社のカーローンや、ディーラー系のローン会社での自動車ローンは、ほぼすべてのケースで、この所有権留保がついています。
車検証上も、「所有者」は「ホンダクレジット」等のローン会社の名前となっています。
【所有権留保と破産】
所有権留保付きの自動車ローンがある方が破産申し立てを行うと、ローン会社は所有権に基づいて自動車を引き揚げ、売却し、ローンの返済金に充当します。
自動車を使い続けることはできないということになります。
(2)所有権留保が設定されていない場合
金融機関の自動車ローンでは、所有権留保は設定されませんし、信販会社やディーラー系のローン会社も、軽自動車については所有権留保を設定しません。
そういった場合、自動車の所有者はご本人ですので、ご本人の資産として扱われます。
あとは、先に記しました通り、価値が20万円を超えるか超えないかで、売却されるかどうかとなります。
○再生と自動車
1,ローンがない場合
ローンがない場合、再生手続においては、自動車の売却の必要はありませんが、「清算価値保障原則」というものがあり、自分が持っている全財産の価値以上は、借金を支払わなければなりませんし、そこまでしか借金は減額されません。
例えば、再生手続では借金は概ね5分の1まで減額されますので(最低額100万円)、これに基づいて借金が120万円まで減額されたとします。
しかし、ご本人の資産として、自動車が180万円、預金が20万円あったとすると、その合計金額の200万円までしか借金は減額されないということになります。
その金額を3年から5年の分割で支払っていくことになります。
つまり、自動車の価値が高いと、再生手続きでの借金の減額幅に影響がある、ということになります。
2,ローンがある場合
自動車ローンがある場合、所有権留保がある場合には、破産と同じく、再生申立をすると、ローン会社に自動車は引き揚げられてしまいます。
所有権留保がない場合には、ローンがない場合と同じく、自動車の価値が再生による借金の減額幅に影響を与えてくる、ということになります(ローン自体は他の借金と同じく、再生により同じ比率で減額されます)。
※自動車を引き揚げされてしまう場合はどうしたらよい?
自動車を引き揚げられてしまうと、移動の手段がなくなるので、生活が出来なくなるため、どうにかそれだけは避けたい、というご相談もあります。
しかし、引き揚げを防ぐ方法は基本的には存在しません。
引き揚げられた後、自動車のない生活を防ぐために、10万円~20万円程度の安価な自動車を購入する方法、親族などの自動車を借りる方法などがあり、多くの方はこれらの方法で自動車のある生活を維持できています。
愛着のある自動車を手放すのは悲しいですが、借金を整理して生活を再建するために、必要な手段です。
生活が再建でき、余裕が出来たらまた自動車を購入すればよいですし、そのためにも生活再建をぜひがんばっていきましょう。
破産、再生と自動車でお悩みの方、ぜひ一度ご相談ください。
NEW
-
query_builder 2023/02/04
-
事業復活支援金の申請ID取得は5月26日まで可能です
query_builder 2022/05/19 -
【松本市】示談書、念書、合意書、契約書などの作成を承っています
query_builder 2022/05/09 -
【松本市】無料求人広告詐欺が流行っています
query_builder 2022/04/19 -
【松本市】面会交流の調停について
query_builder 2022/04/14