【松本市】相続人がいない土地はどうなる?

query_builder 2022/02/07
相続・遺言
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「あの家は相続人がいないから、亡くなった後そのまま放置されているんですよ」ということを耳にしたことのある方もおられるとおもいます。


こういった場合に、木や草を放置されていると近隣の方には被害が出てきます。


また、空き家が老朽化してきて危険だ、ということもあります。


実は、この場合、ほんとのところは、二つのパターンに分かれます。

相続人不存在の場合

相続人がいない場合とは?

本当に、相続人がいないケースがあります。

それを法律上「相続人不存在」と言います。


説明しますと、まず、民法では相続人は配偶者(妻、夫)のほかに、下記の通り順位が決められています。


・第一順位 子

・第二順位 直系尊属(両親、祖父母)

・第三順位 兄弟姉妹


この順位に沿って相続人がいるかどうか調べていくと、

「妻は先に亡くなっていて、子どももおらずや祖父母も亡くなっている上、兄弟もいない」

「未婚で亡くなられて、親も祖父母も亡くなっていて、兄弟姉妹はいない」というようなケースが相続人不存在です。


また、相続人はいたけれど、第三順位の相続人まで全員が相続放棄をしている、というケースも、相続人不存在となります。

相続人不存在の場合の遺産処理

相続人不存在の場合でも、そのまま遺産を放置していると、下記のようないろいろな困りごとが出てきます。


・不動産の放置による周囲への被害

・滞納税や未払い公共料金が回収できない

・空き家問題を解消できない

・債権を持っているが、回収のための競売にかけられない

・土地の共有者の一人が相続人不存在だと、土地を処分できない

・相続放棄をしたけれど、そのまま放置していると管理義務だけが残ってしまう

・親族で売却したほうが良いと一致したが、誰も相続人ではないので売れない


相続財産管理人の選任で解決

こういった相続人不存在のケースで困っている場合には、「相続財産管理人」を家庭裁判所に選任してもらうことで困りごとが解決できます。


相続財産管理人は、遺産の管理のほか、遺産の払い戻し(預金)、裁判所の許可を得た上での不動産売却、返済、税金や公共料金の支払いなどを行うことができます。


そして、そういったことをすべて行った上で、家庭裁判所が許可すれば「特別縁故者」という方に財産を分与できる場合もあります。


※特別縁故者

 ・被相続人と生計を同じくしていた人

 ・被相続人の療養監護に努めた人

 ・その他、密接な関係にあった人


特別縁故者もいない場合か、特別縁故者に財産を分与してもまだあまりがある場合、「国庫帰属」します。


つまり、国が取得することになるのです

ちょっともったいないですね。

実は相続人はいるケース

相続人はいるけれど放置のケース

実は、その不動産にはきちんと相続人がいる場合があります。


つまり、相続人はいるけれど、遺産分割や相続登記をせず、固定資産税だけ支払って、放置しているというケースです。


特に、買い手がつかない郊外の土地や、接道がなく建替えができないために売れない土地、荒廃した農地などに多いです。


売れないし、活用もできないので、そのまま放置しておくしかないからです。


実はこれが今話題になっている「空き家問題」なのです。


抜本的な解決のためには、建築基準法や都市計画法の改正により建替えを可能としたり、荒廃農地の転用を許可する方向に法改正することが望まれます。



相続人がいて実は管理されている場合

一見、放置されているように見えても、登記簿を見ると相続登記がされていて、夏場の草刈りなどもきちんと業者に委託しておられる場合もあります。


こういったケースでは、「売れる見込みがないため管理・所有を仕方なく続けている」という場合や「相続人間で処分の方向が一致しないため、そのまま管理だけしている」という場合、「子どものころ育った思い出の家なので、そのまま大事に管理している」という場合もあります。


土地が処分できるに困っている場合には?

活用できる場合もあります

相続人がいない場合には相続財産管理人の選任をすることによって遺産の活用や被害回復ができる場合があります。


また、相続人がいる場合には、不動産業者や土地家屋調査士、行政とともに検討してみると、空き家の解消や売却、農地の売却が可能となるケースもあります。


今後増加していきますので、ぜひご相談を

今後、団塊の世代の方の相続が発生する時代になり、「大相続時代」が来ると言われています。


すると、やはり空き家や荒廃農地が増加していくものと想定されます。


土地の有効活用、地域の活性化のために、ぜひこういった問題を解消していきたいと考えています。


お困りの方、ぜひご相談ください。

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