【松本市】相続における遺言は口頭でも可能??
相続が発生してからお受けする、相続に関するご相談の中で「口頭で遺言があったんだけど…」「遺言はあったけど、紙では作っていなくて、亡くなる間際に家族の前で喋ったんです」というような「口頭での遺言があったけど有効かどうか」というご相談がよく寄せられます。
〇口頭での遺言は有効?
残念ながら、無効となります。
たとえ家族全員の前で「全財産は長男に相続させる。異常が私の遺言である。」と口頭で述べたとしても、それに法的に拘束されることはありません。
つまり、長男の方が「自分に全財産を相続させるという遺言がされた。みんな聞いていたはずだ。」と主張してもそれは法律上は通用しないということになってしまうのです。
ただし、下記の通り、口頭での遺言が有効である場合が2つあります。
・死亡の危急に迫った者の遺言(民法976条)
死の危機が差し迫っている場合に、3人以上の証人の立会がある場合、その一人に口授して遺言をすることができます。
・船舶遭難者の遺言(民法979条)
船舶が遭難した場合において、当該船舶中にて死亡の危機が迫っている者は、証人二人以上の立会いをもって口頭で遺言をすることができます。
〇メールやLINEでの遺言は有効?
では、紙に近いツールとして、メールやLINEというものがあります。
これらで遺言を行った場合はどうでしょうか?
残念ながら、メールやLINEでの遺言も、無効です。
〇動画による遺言は有効?
動画に関しては、とても気軽に撮影できる時代になりました。
スマホのカメラ、パソコンのカメラなどを使って、誰でもすぐに撮影できます。
ですので、亡くなる直前にスマホを取り出して「自分の財産は、長男に自宅、次男に預金の半分、残りの預金は市に寄付する。以上。令和4年○月〇日 氏名 ○○○○。」と撮影することもできます。
これはさすがに有効ですよね…??と言いたいところなのですが、このような動画形式も「無効」です。
〇証人を付けたら大丈夫?
では、口頭の場合に「今、確かに○○○○さんが遺言をしました、私が立ち会いました。」とその場で宣言しても有効にはならないのでしょうか?
動画で遺言をした後、動画の中に証人が登場し「確かに今、〇〇〇〇さんは遺言を行ったことをここに証人として宣言します。」と2人証人が動画内で保証したとしたら…??
たとえ、証人がいたとしても、有効にはならないのです。
〇遺言は、方法が厳しく定められています。
日本の民法では、とても厳格に遺言の方法が定められており、下記の遺言しか有効とはなりません。
・自筆証書遺言
全文自筆で書く遺言です。
・公正証書遺言
公証役場で、公証人が依頼人に内容を確認したうえで作成する遺言です。
・秘密証書遺言
自筆で書いた遺言を封書に入れて封印し、公証役場で証人とともに公証人に署名押印をもらう方式です。
〇遺言は何度でも書き直せますので、早めのご用意を
以上、見てきたとおり、遺言は自分で紙に書くか、公証役場で作る以外には基本的に有効となりません。
「いつか作ろう」と思っているうちに病気になり書けなくなった、というケースは多いです。
とりあえず作ってみて、後で気が変わったらその部分だけ違う内容にすればよいのです。その部分だけチラシの裏に書いて署名捺印でも有効となります。
また「遺言は、矛盾する内容であれば、後の日付のものが有効」ですので、一度作っておいて、変更がある度に「不動産を相続する者を、次男へ変更する。○年○月○日 ○○○〇 印」などと書いて押印すれば、それで変更は有効となります。
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