【松本市】民事信託と「親亡き後問題」の対策①

query_builder 2021/10/26
相続・遺言
親子とハート

民事信託(家族信託)は「親亡き後問題」対策に有効とよく指摘されます。


今回は、その「民事信託」と「親亡き後問題」の関係、そして「親亡き後問題」への対策について解説します。



〇「親亡き後問題」とは?

「親亡き後問題」とは、障がいをお持ちのお子様の親が、「自分が亡くなった後、この子の生活を支えてくれるのか」という悩みになります。

日本では、障がいをお持ちの方を生活全般において支えておられるのが、ご両親であることが多いため、自分が亡くなった後、お金の問題、生活の問題、財産の問題など、どうすればよいのか不安になってしまうのは当然のことです。

具体的に、障がいをお持ちのお子様の生活について、下記のような心配が出てきます。

・悪質商法に騙されたりして、遺した財産をなくしてしまわないか
・相続手続きもスムーズにできないのではないか
・自宅で生活しているが、身の回りの世話や、家事、生活は本人だけではできない
・本人だけでは外出をせず家にこもってしまう心配
・親亡き後、本人は楽しい人生を送ることができるのだろうか



〇解決策

上記のような悩みを解決する方法が、たくさん用意されています。


1,成年後見人の選任

 親が元気なうちに、お子様に成年後見人を選任し、専門職(弁護士、司法書士、社会福祉士)が成年後見人になるという方法があります。または、親と専門職が共同で成年後見人になるという方法もあります。
 これを行うと、親なき後も、相続手続きも財産の管理も専門職の成年後見人が行うため、安心です。
 また、障がい者福祉サービスや作業所、就労支援事業所の利用、障がい者手帳、障がい者年金の手続き、ホームヘルパーの利用なども、自治体の福祉関係者とともに、すべて成年後見人が手配することができます。

 さらに、自治体の福祉課、社会福祉士、就労支援事業所と成年後見人などで、定期的にケア会議を開催し、ご本人を支援していくケースも多くあります。



2,民事信託(家族信託)を活用する方法


(1)ご兄弟が面倒を見ている場合

 障がいをお持ちのお子さまに、ご兄弟がいて、その兄弟がすでにご本人の財産の管理や手続きを手伝っているという場合に、そのご兄弟を受託者として親と民事信託(家族信託)契約を行い、親の死後に取得する遺産を含め、ご本人の財産を管理していくという方法があり、これが有効であると民事信託ではよく挙げられています。

しかし、よく考えてみましょう。


「自宅を処分する行為」「借入れを行って資産価値を増やす行為」「投資」は成年後見人は原則、できませんが、それ以外は成年後見人がほぼできるのです。

要するに、自宅を処分してほしい、アパート経営をしていて修繕や借り入れを行いたいという場合には、民事信託の方が適していますが、それ以外では成年後見人選任で足りることが多い、ということです。


(2)民事信託と身上監護権
また、成年後見人は、財産管理権のみならず、身上監護権(生活、身の回りのことをお世話する権限)を有していますので、1で述べた本人の生活ケアまで行うことができますが、民事信託のみですと、そういうことができません


特に、兄弟など、まったく身の回りのお世話をする方がいない場合には、民事信託だけでは不十分です。


ですから、民事信託を行えば親亡き後問題は大丈夫、という表現も目にしますが、身上監護についてしっかりと考える必要があります。

民事信託を利用する場合でも、「親亡き後問題」を生活面でしっかり解決するには、成年後見人選任も行い、親亡き後、身上監護権によって日常生活に支障が出ないようにすることが必要です。


②に続きます

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