【松本市 相続】相続登記の義務化と、その問題点

query_builder 2021/07/16
相続・遺言
相続

大きく報道されましたとおり、相続登記を義務化する法案が成立しました。 

3年以内に施行となり、義務化が始まります。施行に備えて、実際にどうなっていくかという点について、その問題点も含め、冷静にしっかりと検討してみる必要があります。

1,相続登記の義務化とは?
「自己のために相続の開始があったこと及び所有権を取得したことを知った日から3年以内」に相続登記を行わなければ過料の制裁がある(最高10万円)、ということです。
ただし、相続人全員で遺産分割協議や遺産分割調停まで成立させ、その内容にて相続登記まで行わなければならない、ということでは必ずしもありません。そこまで行わずとも、下記2つのどちらかを行うことによって、過料の制裁を免れることができます。

(1)「相続人申告登記」 「相続人申告登記」という新設される登記(相続が発生した旨を申告する登記)を 行う方法。
これは相続人の一人から申請可能です。

(2)「法定相続分による相続登記」 相続人の全員が法定相続分で相続したという登記を行う方法
。(これは現在でも可能ですし、相続人の一人から申請可能です)
あとで遺産分割が成立した場合には、さらに遺産分割による相続登記を行うことになります。

2,相続登記義務化の問題点
相続登記の義務化は、いわゆる所有者不明土地や、 長期相続未了土地を解消し、土地の利活用を図る目的で行われます。しかし、1で述べました通り、「相続人申告登記」や 「法定相続登記」を行えば義務を果たしたことになり、最終的に取得する相続人を確定したという登記まで入れることは求められていません。

そもそも、最終的に取得する相続人の確定を行うには、相続人全員の合意が必要です。相続人申告登記や法定相続分による登記を行っても、相続人間で最終的に取得する相続人の確定(誰が相続するか確定)していませんので、売却したりという利活用は当然できません。

要するに、みんなが納得しないと誰が相続するかを確定できないのに、そこの促進策はとりあえず置いておいて、形だけ義務化を導入した、ということになります。市民に対し義務を課すものであるため、もっと慎重に検討をしてほしかったというところです。
義務化後も、最も重要なのは、やはり合意形成手続であり、数代前から相続登記が放置されているケースなどでは、相続人が多数となるため、特に合意形成の促進が重要となります。

これから行うべきことは、相続人間での合意形成を促進することです。形だけの相続義務化による、申告登記や法定相続登記を促進することでは問題は解消されず、不動産の活用はできないからです。

合意形成のために、現在でもできる手続き方法としては、下記の2点です。
①相続人全員が誰が相続するかを合意する(遺産分割協議)
②家庭裁判所の遺産分割調停を利用し、合意形成をする


当事務所も、所有者不明土地、長期相続未了土地の解消に向けて、上記の手続きをさらに積極的に行っていきたいと思います。

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